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反復性肩関節脱臼

3、反復性肩関節脱臼の概要
 外傷性不安定性の代表的な疾患である。外傷性脱臼の病態の一部が治癒せず、その後軽度の外力でも脱臼を繰り返すようになったものである。従来では「習慣性脱臼」とも呼ばれていたが現在では、外傷性脱臼に続発して脱臼を繰り返す場合を反復性脱臼、明らかな外傷がなく脱臼する場合を習慣性脱臼と呼んで区別する。
 一般に外傷性肩関節脱臼は前方脱臼が多いので、反復性脱臼もまたほとんどが前方脱臼である。前方脱臼は、上腕骨の骨頭の位置によって、烏口突起下、関節窩下、鎖骨下に分けられるが、烏口突起下脱臼が圧倒的に多い。
 反復性脱臼への移行率としては、10歳代では外傷性脱臼の90%以上、20歳代では80%、30歳代では50%とされている。

4、反復性肩関節脱臼の病態(図1)
 肩関節の外傷性前方脱臼により関節唇の前下方部分が関節窩縁から剥がれたり、関節窩前下縁に剥離骨折が生じる。前者をBankart(バンカート)病変、後者を骨性Bankart病変と呼ぶ。

前方関節唇には関節包靱帯である上・中・下関節上腕靱帯が付着しているが、このうち下関節上腕靱帯の前方部分である前下関節上腕靱帯が肩関節外転・外旋位での骨頭の前方制動に最も重要な働きをする。前方関節唇が剥がれると、これと連続する前下関節上腕靱帯の制動機能も減弱し、脱臼が生じやすくなる。また、頻度は少ないが前下関節上腕靱帯を含む関節包が実質部で断裂することもある。
 脱臼した際、関節窩前下縁に骨頭の後方部分が押し付けられ、同部に陥没骨折を起こすことが多く、これをHill-Sachs(ヒル・サックス)病変と呼ぶ。

骨頭関節面の後方が欠損するため、より少ない外旋角度で脱臼が生じる。陥没部が広範囲で正常な関節面が減少するほど脱臼が起きやすくなる。
脱臼の再発については、初回脱臼後2年以内に起こることが大多数で(70%以上を占めている)、Bankart病変が治癒しなかったことを示唆している。
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山中 敏也

Author:山中 敏也
年齢はかなりいってますが、会社が倒産したことを機に思い切って学校へ入学しました。自分が体を壊したことがあるので、医療には興味があり、独学でも色々なことを学びましたが、学校へ入学してビックリ!膨大な知識を記憶しなくてはならない。悪戦苦闘した4年でしたが、あともう少し国家試験に突入!